violin 大海佳之 Yoshiyuki DAIKAI
Q1:チェコ作品に特化したオーディションを受けようと思われたきっかけは?
A: 年齢不問ということと、チェコの作品ということを思い浮かべた時に、チェコの曲ってとても有名な曲以外全然知らないぞ、と思い、興味を持ちました。いろいろ調べるうちに知らない名曲がたくさんあることを知り、たくさんのチェコ音楽に出会えました。このオーディションがなかったら知らなかったことばかりなのでとてもいい機会になりました。
Q2:受賞者記念コンサートに出演されたご感想をお聞かせください。
A: 演奏会を迎えるまで、当日の雰囲気、など受賞者記念コンサートはオーディションでしか弾いていなかった曲をもう一度弾かせてもらえるということでとても楽しみでした。まさかその後Musica Panenka 賞を頂き、また受賞記念リサイタルの機会があるとは思ってもいませんでした。
Q3:対面審査員講評、チェコ映像審査員講評の内容はいかがでしたか
A.レメシュ先生からの講評がとても勉強になりました。ヴィブラートのかけ方について、ほかの審査員の先生方からも音に対してどういう速さのヴィブラートをかけるかなどとても考えさせられました。
Q4:Musica Panenka 最優秀賞受賞おめでとうございます。副賞として「宗次ホール受賞記念リサイタル」が授与されました。宗次ホールでのリサイタルはいかがでしたか?
A.とても光栄でした。宗次ホールで弾くのは初めてでしたし、7月に賞をいただいて、プログラムからしっかり時間をかけて考えられたので、自分にとってとても充実した体験になりました。
Q5:今後どのような活動を展開されるご予定でしょうか?
A:残念ながら2人で住んでいるところが遠く、それぞれに仕事があるので中々次の機会を作るのが難しいですが、せっかく去年一年自主企画も含めて一緒にたくさん弾いたのでこれからも続けていきたいと思います。
Q6:そのほか、ご意見・ご感想等ございましたらお聞かせください。
A: チェコ音楽だけの企画というのはなかなかないと思うので、これからも是非どんどん発展して、チェコ音楽の素晴らしさを広めていっていただきたいです。僕たちも今回学んだことを活かして演奏活動を続けていきたいと思います。
***************************************
piano 前田陽一朗 Youichiro MAEDA
第1回チェコ音楽の祭典オーディションで大海佳之君と共にデュオで参加してMusica Panenka最優秀賞をいただきました。このオーディションに参加したきっかけは大海君から誘われたことです。彼とのアンサンブルの舞台が欲しかったところにその尖ったコンセプトを持つ不思議なオーディションの話を聞き強い興味を持ちました。
クラシック音楽学習者の多くの人にとってチェコは知っているようでその実よく知らない国なのではないでしょうか。僕がまさにその1人だったのですが、多くの音楽家にとってイタリアドイツフランス、ロシアなど太く膨大なレパートリーを誇るこれらの音楽をこなす事で精一杯で他の国の音楽を深く掘り下げるのはなかなか大変です。このオーディションを受けることはそれを掘り下げるいいきっかけになると直感しました。幸い地理や歴史には興味があったのでそのあたりのネット記事や本を読みはじめそのうち言葉もやりたいなと思いほんの初級程度チェコ語もはじめました(チェコビールを片手に)。同時に200曲以上の曲にあたってオーディションやその後のリサイタルの曲目を決めました。
オーディションでは自分の思いもよらぬコメントをいただいたりもして、審査員方の視点の広さに驚いたのを覚えています。通過し演奏会の準備をする際にも審査をされた先生方にチェコのお話をたっぷり伺えたのも大変良い経験でした。現地に行ったことのない自分にとって何もかもが不足でしたが「いっそ僕の想像するチェコを弾いてやろう」と本・YouTubeなどなんでも使って想像したので憧れの地になっています。
お客様に馴染みの少ない曲目を並べてリサイタルに仕立てるのは準備と勇気がいるものです。ドボルザークを並べれば間違いなくフレンドリーなプログラムになりますがせっかくチェコ音楽を知ってもらう機会なのでドボルザークは初めの1曲のみにしました。あとは聞きどころが被らないように工夫しながら曲目をまとめました。お客様の反応からとても楽しんでいただいたようです。1曲入魂で1曲を演奏するのも面白いですが聴衆と時間を共有してプログラムの妙で楽しめるのはリサイタルならではのことで、このような機会を頂けたのは幸運なことでした。
楽しい1年が終わりましたが今シーズンもチェコのプログラムをソロに入れています。好きな作曲家もできたので彼らと、彼らの作品と付き合いながら楽しんでいきたいです。